子宮筋腫は子宮にできる良性の腫瘍(しこり)です。女性ホルモンの影響を受けて大きくなるため、女性ホルモンの分泌が盛んになる20歳代以降に発症しやすく、閉経により女性ホルモンが激減すると小さくなっていきます。複数個できることも多く、大きさやできる部位によって症状が異なります。
代表的な症状は月経痛が増強したり、月経量が増えたりします。月経量が増えると貧血になるため、貧血原因を検索中に子宮筋腫が見つかることがあります。
また、無症状のこともあります。その他、筋腫のできる部位によって、腰痛や便秘、頻尿になったり、不妊症の原因になることもあります。
内診(腟からの触診)や超音波検査で診断します。また、粘膜下筋腫の場合には子宮の中にカメラを挿入して、観察することもあります。さらに、貧血の検査をしたり、悪性腫瘍と区別が難しい際には、MRIや腫瘍マーカーの検査などをおこなうこともあります。
子宮筋腫が小さく、特に症状のない場合は、治療はせずに定期的な経過観察をすることも一般的ですが、子宮筋腫の大きさ、症状によっては積極的な治療が必要になります。その際には、部位や大きさ、年齢、妊娠希望の有無などに応じて治療法を選択します。
卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)は、卵巣から発生する良性腫瘍です。液体成分や充実成分が溜まったりします。
卵巣嚢腫の多くは良性で、無症状のまま健康診断や妊娠を契機に偶然発見されることが多くありますが、卵巣嚢腫が大きくなって急激な腹痛が出現する場合、緊急手術が必要になります。
小さいうちは無症状で経過することが多いですが、大きくなるにつれて、腹部の違和感や膨満感、下腹部痛、頻尿などを自覚することがあります。また、卵巣嚢腫がねじれたり(茎捻転)、破裂したりすると、突然の強い下腹部痛が出現することがあります。
卵巣嚢腫の内容物によって、様々な種類に分けられます。
超音波検査で卵巣嚢腫の大きさやおおよその状態を確認します。さらに必要に応じてMRIや腫瘍マーカーなどを組み合わせて、卵巣嚢腫の種類や良悪性を予測します。ただし、腫瘍マーカーは数値だけで良悪性を診断することはできず、診断のための補助的検査となります。
治療方法は卵巣嚢腫の種類や大きさ、年齢によって異なります。圧迫感や腹痛などの症状をともなう時や、一定の大きさになり茎捻転や破裂のリスクがある時は、積極的な治療が必要となります。また卵巣子宮内膜症性嚢胞(チョコレート嚢胞)ではホルモン療法が選択されることもあります。
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