
「急に肩が痛くなって腕が上がらない」「夜、痛みで眠れない」「髪を洗う動作ができない」「服の脱ぎ着がつらい」—このような症状でお困りではありませんか?
これは俗に「四十肩・五十肩」と呼ばれる肩関節周囲炎の症状です。放置すると肩が固まる「凍結肩」へ進行することがあります。
「時間が経てば治る」と思われがちですが、適切な治療とリハビリをおこなわないと、何年も痛みや可動域制限が残ることがあります。
肩関節周囲炎は、肩関節を取り囲む組織(関節包、靭帯、腱、滑液包など)に炎症が起こり、痛みと可動域制限を生じる病気の総称です。
肩関節周囲炎が進行し、関節包が厚く硬くなって肩が「凍ったように」動かなくなった状態を凍結肩と呼びます。
| 時期 | 期間 | 症状 |
|---|---|---|
| 炎症期 (Freezing期) |
2〜9ヶ月 | 強い痛み(特に夜間)、徐々に可動域低下 |
| 拘縮期 (Frozen期) |
4〜12ヶ月 | 痛みは軽減、可動域制限が強い |
| 回復期 (Thawing期) |
12〜24ヶ月 | 徐々に可動域が回復 |
| 検査 | 目的 | 痛み |
|---|---|---|
| 診察 | 可動域測定、圧痛部位の確認 | 動作時に痛み |
| X線 | 他の疾患(石灰沈着、関節症)の除外 | なし |
| MRI | 腱板断裂など他の疾患の除外 | なし |
重要:「四十肩・五十肩」と思っていたら、実は石灰性腱炎や腱板断裂だったというケースもあります。MRIなどで正確な診断を受けることが大切です。
| 治療法 | 内容 | 効果 |
|---|---|---|
| 薬物療法 | 消炎鎮痛薬、外用薬 | 痛みの軽減 |
| 関節内注射 | ステロイド注射、ヒアルロン酸注射 | 炎症を抑え、痛みを軽減 |
| リハビリ テーション |
可動域訓練、ストレッチ | 拘縮の予防・改善 |
炎症期は薬や注射による消炎や無理に動かさず痛みのコントロールを優先、拘縮期以降は積極的なリハビリが重要です。
保存療法で改善しない場合、以下を検討します。
関節鏡視下授動術
当院にはスポーツ・関節鏡センターがあり、肩関節疾患の専門的な診療をおこなっています。
多くの場合、1〜3年で自然に改善しますが、適切な治療をしないと痛みや可動域制限が残ることがあります。早期から適切な治療をおこなうことで、回復を早め、後遺症を防ぐことができます。
炎症期に無理に動かすと悪化することがあります。病期に合わせたリハビリが重要で、痛みが強い時期は無理をせず、拘縮期に入ったら積極的に動かすことが大切です。
肩の痛みや動きにくさを感じたら、早めに受診してください。特に夜間痛が強い場合は、他の疾患(腱板断裂など)の可能性もあるため、正確な診断を受けることが重要です。
「四十肩・五十肩は誰でもなるもの、待っていれば治る」—そう思っていませんか?
確かに多くの場合は自然に改善しますが、何年も痛みや動きにくさが残る方もいます。また、「四十肩」だと思っていたら腱板断裂だったというケースもあり、正確な診断を受けることが大切です。
当院では、病期に合わせた適切な治療とリハビリで、できるだけ早い回復をサポートします。肩の痛みでお困りの方は、お気軽にご相談ください。
河北総合病院 整形外科
〒166-8588 東京都杉並区阿佐谷北1-6-1
TEL:03-3339-2121(代表)

河北総合病院 整形外科副部長/スポーツ・関節鏡センター長
加藤 敦夫
最終更新日:2026年9月2日
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