
「転倒して肩を強打してから鎖骨が痛い」「自転車で転んでから肩が上がらない」「鎖骨のあたりが腫れて変形している」—このような症状でお困りではありませんか?
鎖骨骨折は、転倒や衝突で肩を強打した際に起こる骨折です。スポーツや交通事故で若い方にも多く、骨折の中でも比較的頻度の高い骨折です。
多くは保存療法で治りますが、骨のずれが大きい場合は手術が必要になることがあります。
鎖骨は、胸骨と肩甲骨をつなぐS字状の骨で、腕を体幹に連結する重要な役割を担っています。転倒や衝突で肩に力が加わると、鎖骨の中央部(骨幹部)で折れることが多いです。
| 部位 | 頻度 | 特徴 |
|---|---|---|
| 骨幹部骨折 (中央) |
約80% | 最も多い、保存療法で治ることが多い |
| 遠位端骨折 (肩側) |
約15% | ずれやすい、手術が必要なことが多い |
| 近位端骨折 (胸側) |
約5% | まれ |
| 検査 | 目的 | 痛み |
|---|---|---|
| X線(レントゲン) | 骨折の有無、ずれの程度を確認 | なし |
| CT検査 | 骨折の詳細な形態を把握(複雑な場合) | なし |
骨のずれが少ない場合は、保存療法で治療します。
以下の場合は手術が推奨されます。
手術適応
手術方法
| 術式 | 内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| プレート固定 | 金属プレートとスクリューで固定 | 最も一般的、確実な固定 |
| 髄内釘固定 | 骨の中に金属の棒を入れる | 傷が小さい |
手術のリスク・合併症
プレートの抜去について
骨がついた後(約1年後)、金属の違和感がある場合はプレートを抜く手術を検討できます。必ずしも抜く必要はありません。
当院では年間多数の骨折手術をおこなっており、鎖骨骨折にも豊富な経験があります。
多くの鎖骨骨折(特に骨幹部でずれが少ない場合)は、バンド固定による保存療法で治ります。ずれが大きい場合や遠位端骨折は手術が推奨されます。
骨を正確な位置で固定できるため、変形治癒や偽関節のリスクが低くなります。また、早期からリハビリができるため、仕事やスポーツへの復帰が早くなる可能性があります。
手術の場合、入院期間は3〜5日程度です。費用は健康保険3割負担が目安です。金額は過去の事例などで医事課などに確認お願いします。
骨がつくまで約2、3ヶ月程度かかります。接触をともなうスポーツは3〜4ヶ月が目安です。手術の場合、より早く復帰できることがあります。
保存療法では多少の変形が残ることがあります。手術で整復すれば、ほぼ元の形に戻せます。見た目が気になる方は手術を検討することもあります。
鎖骨骨折は比較的よく見られる骨折ですが、治療法の選択が重要です。保存療法で十分な場合もあれば、手術が必要な場合もあります。
「骨折したけど、どうすればいいかわからない」「早く仕事やスポーツに復帰したい」—そんな方は、まずはご相談ください。
当院では、骨折の状態と患者さんのご希望を考慮し、最適な治療法をご提案します。

河北総合病院 整形外科副部長/スポーツ・関節鏡センター長
加藤 敦夫
最終更新日:2026年9月2日
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